1月も早や終わり、明後日はもう節分ですね。
節分というのは、平安時代の宮中儀式「追儺(ついな)」が始まりといわれていて、
この日は立春の前日で文字通り季節を分ける境目。
旧暦でいう大晦日なんです。それで前年の悪疫邪気払いの行事として
この「追儺」が行われていました。

では、なぜ「豆」を投げるのでしょう?
実は鬼の目「魔目」に豆を投げれば「魔滅」するからだとか。

じゃあ煎った豆でないといけないのはどうしてでしょう?
生の豆は芽が出てくるため、そこから鬼が芽を出という説や、
豆(魔目)を煎ることにより鬼を退治するという説もあるそうです。
つまり豆自体が鬼なので、外に投げ「鬼は外!」、あるいは
食べてやっつけろ!というわけですね。

そして節分が明けると立春。旧暦の新年です。
新しい年のエネルギーは一月ではなくて、二月の節分を越えたあたりに
動き始めるのだとか。つまり、節分を越えると、今年のエネルギーが非常に
はっきりしてきますので、今年の幸せに向かう目標や新しいトライは、
この頃にまっさらな気持ちで始めてみるのもいいかもしれませんね。

さて、作家の松浦弥太郎さんが、いつも通っておられる理容室のご主人に
こんなことを聞かれたそうです。
「お仕事でいつも心がけていることはありますか?」と。
なぜなら長年行きつけておられながらも、慣れることなく常に礼儀正しく、
さりげなくこまやかなお客さまへのあたたかい心配りに、
いつも感謝と感動で胸がいっぱいになっておられたからだそうです。

「そうですね。『添え手』という言葉がありますように、仕事はすべて
その心持ちです。」と、ご主人は微笑みながら答えてくださったそうです。

何をするにも、必ず手をやさしく添えて、次の動作なり行いを相手に知らせる
ひと手間をかける。また、手をそっと添えていることで、何があってもすぐに
助けることができる心づもりとでも言いましょうか。

見えなくともその先にいつでも生身の人がいることを忘れずに、
単なるていねいさだけではなく、相手をおもんぱかった振る舞いと、
少し先を読んだやさしさこそが、どんな仕事においても大事であると、
ご主人は教えてくださったということです。

私の仕事は、あなたが麗王にいらしてくださった時に、たのしく、
幸せな心持ちで、笑顔で溢れた時を過ごすことができるように
心を尽くすことです。

この「麗王便り」も大切な人へ一か月に一度か二度お手紙を綴るように、
人を想う愛情という心を精一杯働かせて書いているつもりです。
そして、理容室の御主人のように、「添え手」という言葉をお守りにして、
あなたへ手を添えることを決して忘れずに、仕事という日々を過ごしていきたい、
新しい節目に改めて自分に言い聞かせました。

水曜日はあなたも大きな声で豆をまいて。
「鬼は~外、福は~内!」
複雑な課題の多い今日この頃、厄払いはしっかりとしたいものです。
私も邪気を払うべく、もっと元気になるべく豆を今までより少し多めに撒き、
しっかりと数え歳プラス1個のお豆をいただくことにいたします。
そして今年の恵方の南南東に向かって、幸運をおいしく呼び込む
恵方巻き寿司をガブリ!とまるかぶりするぞ~!
あなたと私の今年一年の幸せを心から願って。

* 麗王でも水曜日は「無添加恵方巻」を御用意いたしておりますよ~。

【末金典子】