赤いトマトとパプリカがきれいな一皿です。
スープがしみ込んだサーロインがほろほろと柔らかく口に広がり、
贅沢な気分にしてくれます。
食卓がぐんと華やぐ、オレンジとグリーンのコンビのサラダも添えて。
オーガニック白ワインの酸味と柑橘の甘味が、ドレッシングのように
ほたてとれんこんを引き立てます。
【末金典子】
▶週末の料理は仕込みからたっぷり3時間。グヤーシュまたはグーラッシュと呼ばれるハンガリーの代表的な煮込み料理です。ニュージーランド産のオーシャンビーフのサーロインを4㎝角に切って、伊平屋の塩夢寿美(えんむすび)の塩、有機粗挽きこしょうをふってビニール袋に入れ、有機赤ワインと有機パセリの茎を揉み込んで、冷蔵庫に2時間ほど置きます。
▶長時間の煮込み料理には、焦げ付きにくいル・クルーゼの鍋が威力を発揮します。バターを溶かしてみじん切りにした有機にんにくと有機たまねぎを蒸らしながら炒め、皮を湯むきした有機トマト、デルモンテの有機トマトピューレ、パプリカパウダー、2㎝角に切った石垣産赤パプリカ、有機ローリエを入れて煮ます。
オールクラッドのフライパンにラウデミオ・フレスコバルディ・エキストラバージンオリーブオイルをしいて、ムソーの有機小麦粉(薄力粉)をまぶしたオーシャンビーブの表面を焼きつけ、有機赤ワインと一緒に鍋に入れて、ここから1時間ほど煮て出来上がり。盛りつけのときに有機パセリのみじん切りを散します。
▶実は私たちが、メインのグーラッシュよりもおいしいと感じたのは、ホタテのオレンジマリネサラダです。おもろまちリウボウで仕入れたホタテに伊平屋の塩をふって、ラウデミオをしいたフライパンで強火で表面をさっと焼き、粗熱がとれてから皿に盛りつけます。
水にさらしてから茹でた薄切りレンコン、有機ディルと有機セルフィーユのみじん切り、有機白ワインビネガー、ラウデミオ・オリーブオイル、伊平屋の塩、皮を剥いて2㎝に切ったオレンジ、オレンジの汁、をボウルで混ぜてからホタテにかけて出来上がり。フライパンで軽く炒ったアーモンドを砕いて伊平屋の塩少量と一緒に上から散らします。
グーラッシュとサラダのレシピはフードコーディネーターの冷水希三子さんのもの。料理研究家の方が提案して下さるレシピを試すことの醍醐味はここにあります。自分では到底思いつかない食材の組み合わせを、驚き愉しみながら学ぶことができます。ホタテとオレンジとオリーブオイルの相性が抜群で、セルフィーユとディルを双方加えるとその相性がさらに引き立つ感じです。レンコンの食感とアーモンドのミックスも素晴らしく、これは価値のある一皿でした。
【樋口耕太郎】
なぜ私たちが食に関心を持つのか、おいしいレジスタンスを参照下さい。