4月9日(土)午後7時開講、『次世代金融講座』 第9期(クリックして概要をダウンロードできます)、 受講者を募集します。

期間: 3ヶ月(4月9日~6月25日)
講座: 日程と概要は以下を参照下さい。各講座の開講時間はいずれも午後7時より2時間半程度。
*原則として、第二・第四土曜日が開催日です。

4月9日(土) 「経営と人事」 事業再生のケーススタディ
4月23日(土) 「経営と生産性」 10倍の生産性は可能か?
5月14日(土) 「企業金融・マネー経済・お金の本質」 誰も知らない、お金の話
5月28日(土) 「資本主義社会の変容とグローバル経済」 我々の社会の「生態系」を理解する
6月11日(土) 「事業戦略・沖縄地域経済・農業」 沖縄の次世代戦略
6月25日(土) 「リーダーシップ・行動するということ」 明日から、できること

場所: 那覇市『厚生会館』(みずプラッサB棟3階)  那覇市おもろまち1丁目1番2号3階
講師: 樋口耕太郎 http://twitter.com/trinity_inc (ツイッター)
定員: 30名
受講料: 6回講座分 3万円 (消費税込、学生は1万8千円)
受講資格: 業界・職業など不問
お申込み: 本ページ右下の「お問い合わせ」をクリックして、以下の内容をご送付下さい

①お名前
②メールアドレス(必須。できれば、数メガバイトの受信容量があるもの)
③ご所属と簡単な担当業務・役職

講座の概要: 2時間半があっという間に過ぎるほど衝撃的で、有意義で、面白い、「理想の講義」実現を目指しています。具体事例を多用して、誰にでも分かりやすく、平易に伝えることを重視していますので、受講に際 して金融知識、経済知識、経営経験など一切不要です。

6回の講座によって、ひとつの大きな世界観(社会の生態系)をお伝えする構成になっていますが、 途中回を欠席せざるを得ない場合であっても、それぞれの講座は単独で受講して十分意味あるものとして構成されています。また、期間中いつでも新規に参加で き、欠席回は次期以降の受講が可能です。

受講者の皆様へのメッセージ: 先日沖縄県庁企画部の職員と長時間会話する機会がありました。いろんなことを話しましたが、基本的に彼の主張は、「沖縄がもらっている補助金はたいした額ではない」ということ。主な根拠は、県民一人当たりの補助金は、例えば島根県の方がよほど多いが、島根では地上戦もなかったし基地もない、と。実は、沖縄ではこのような主張を耳にすることが増えています。沖縄振興特別措置法の期限切れが近づき、沖縄県が一括交付金を要求するにあたって、沖縄が現在までいかに不当に扱われ、それに対して受け取っているお金がいかに少ないか、「理論武装」が進められているためです。

しかしながら、沖縄が有形無形の大量の補助金を受け取っていることは、県民ならば誰でも直感していることで、いくら統計をいじっても、その事実は変わりません。先の島根県の例も、人口が減少傾向にある地域の、県民一人当たり補助金の額が高くなるのは当然です。一方沖縄は大量の補助金のために、経済規模が拡大を続け、日本では人口が増加している唯一の地方であり、本島南部の集積は110万人。日本で十数番目の大都市圏であり、人口密度は神戸市と同水準なのですが、このような地域の「発展」にそもそも基地経済が大きく寄与していることは疑いがありません。

沖縄の基地経済に関連して、三つの「嘘」があると思います。第一に、基地経済の比率が県民総所得の5%程度まで減少している、第二に、県民一人当たりの補助金の額は決して多くない、第三に、日本の米軍基地の75%が、国土の1%に満たない沖縄に集中している、という各論です。もちろん見方や定義の仕方にもよりますが、いずれもミスリーディングで「統計操作」に近いものです。県民総所得に占める基地経済の推定規模は5%どころか50%~100%(1兆円~2兆円)であり、基地面積も全体の25%でしかありません。

実は、沖縄の米軍基地は、定義の仕方によって25%とも75%とも表現できるというだけのことなのですが(もちろん、「25%」だから沖縄の負担が小さいということでは決してありません)、最大の問題は、この数字が示す印象に最も欺かれているのが沖縄県民だということです。「75%」という数字を突きつけられれば、人は誰でも、他人を恨みたくなります。しかしながら、人生とは、人を恨むことで決して生産性が生まれないように出来ているのです。人を恨みながら人生を送る人は、誰でも、自分自身に毒を盛りながら暮らしているようなもので、自分はもちろん、関わる誰も幸福にしません。一方、人を赦すことは難しいことですが、これほど高潔な行為はありませんし、何よりも莫大な生産性と幸福を呼び込む最良の方法です。そして、人を赦すことができるのは、「被害者」だけだ、というパラドックスがあります。

三つの「嘘」は、基本的に、「沖縄経済は基地に依存していない(したがって基地はなくてもいい)」、「基地負担は過剰である」、「基地負担の対価が極小である」、という論旨からなります。県庁を始め、沖縄二紙がこのような主張を繰り返すのは、結局のところ更にお金を引っ張ってくるためでしょう。私は過剰な補助金こそが、沖縄を駄目にしつつある最大の原因だと考えているのですが、沖縄県庁とメディアは全くその正反対、すなわち、より多くのお金が問題を解決すると考えているように見えます。

そこで私は県庁職員の彼に聞いてみました:

私 「もし、望みどおりのお金が無尽蔵に手に入ったとして、そのお金で沖縄社会を良くするために、なにをすればいいと思いますか?」
彼 「それは県民と一緒に、これから考えます。」
私 「・・・」

県政が分裂症を患っている地域が、分裂的な社会になるのは自然なことです。そして、現在までにその通りの、つまり、沖縄自身が(実質的に)望んだとおりの、分裂社会が生まれています。それを治癒する唯一の方法は、勇気を持って現実を直視し、正気を取り戻すことでしかないと思うのです。

今まで誰も口にしなかった、資本主義社会と沖縄経済の現実を直視し、根源的な問題を特定し、本当の意味での地域再生を実現するための処方をまとめました。沖縄に関わる全ての人に受講して頂きたいと心から思っています。私は、「沖縄」が社会全体に対して無力であるという世界観を捨てて、社会全体の問題をいかに沖縄から解消するか、という発想で世界を見るとき、沖縄ほど可能性を持つ地方は存在しないと信じています。

周回遅れでトップを走る沖縄で、次世代社会を考えてみませんか。

樋口耕太郎

ぐんと暖かくなってきた今日この頃ですが、
お元気にしていらっしゃいますか?

2月のお便りで、急逝なさった沖縄銀行の長松さんのことや、
脚本家の下島先生の亡くなられた弟さんへの想い、
奇跡的に助かられた男性の手記などを御紹介させていただき、
もしも今日が人生で最後の日になるなら今日をどう生きますか、
と書かせていただいたのですが、そのお便りに宛てて、
ユニバーサルスタジオジャパンの立ち上げで社長をなさっておられた
現・EPソリューションズ㈱代表取締役の山本さん(アメリカ在住)から
とても長いメールをいただきました。ぜひあなたとも分かち合いたいと思い
山本さんに了解をいただきここに御紹介させていただきたいと思います。

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末金様、ご無沙汰いたしております。

新年のご丁寧なメッセージはじめ、今回節分の「鬼は外、福は内!」も
テキサスの自宅で1月15日前後に拝見しました。
実に不思議さを感じているのですが、今回去る1月7日の夕刻テキサス州ダラスの自宅で発症した
極めて致死性の高い「大動脈解離」の体験をし、1週間の入院から戻って来て、
この末金さんからのメールを読ませていただいたので、殊更強烈なインパクトを感じるものでありました。
ひょっとして、1月7日あたりが私の人生で最後の日になっていたかもしれないのです。

日本から12月22日にテキサス州ダラスに戻り、翌日車で20時間かけてアリゾナ州
フェニックス郊外のメサに家内と息子の3名(および2匹のボクサー)で義理の母、娘、
義理の妹を訪ねての長旅でした。途中、睡魔が襲えば車をレスト・エリアか
ガソリン・スタンドに止めて1時間2時間と睡眠をとりながらですが、今回のように
日本から戻った翌日の早朝には出発という、今から考えれば「異常な強行軍」で
自分の体も相当に疲労困憊も極限に至っていたのではないでしょうか。
無事クリスマスをアリゾナで終え、29日の早朝にはアリゾナからテキサスへ向かって
1600キロメートルを超える長旅にまた出発したわけです。
さらには、30日午前中には息子の彼女が遊びに来るに加えて、娘と彼氏も31日午前中に
アリゾナから二人で1600キロメートルを踏破して、ダラス(正確にはKeller)まで正月を
一緒に迎えるため戻ってきました。ならば、今年こそは、
「おせち料理を少し真面目に準備しよう」と思い、Plano にある韓国系の
大型ショッピングスーパーHI Martに材料を仕入れに出かけ、30日の午後からは
「黒豆」「なます」「二色卵」「伊達巻」等々、かなりの品目をそろえるべく、料理人に早変わり。
結局は、31日の夜まで掛かって準備完了!
これも、毎年欠かさずに守ってきた「おせち料理」なのです。(なかなかやめられないのですね。)

仕事のほうはというと、昨年はアジア市場の開発をかなり積極的に展開し、
特に台湾、中国、タイ、インドネシア、韓国での事業戦略の再構築と代理店組織、
特約店組織の再組織化を推し図ってきました。特に台湾の元代理店をEPソリューション(EPS)の
中に吸収合併し、二人の若いセールスエンジニアの兄弟(中国語、英語)をEPSの
日本国外のアジア総拠点に変更して、アジア市場でのEPのソリューション販売戦略を
かなり詳細に作成しなおしました。
日本を除くこれらのアジア市場での事業総進捗表を1月5日までには作成して、
これで正月明けからはしっかりした事業開発がすすめられえると、ほっとしていました。
しかし、この作業も毎日早朝まで一人で作業し、睡眠は1日平均3~4時間程度という
過度の睡眠不足状態でした。余りにも自分の体力に過信していた自分が今思えば
情けない限りです。

こうした状況でとうとう7日の夜7時半に仕事をし始めてしばらくすると、
突然右の下腹あたりから「ドクッ!ドクッ!ドクッ!ドクッ!」と左寄りに立ち上がり、
同時に今まで経験したこともない痛みが襲いかかってきました。
そこで、まず、頭に浮かんだのが心筋梗塞ではないか? なら、まず、ニトロを
処方して貰っている家内の寝室に這うようにしてたどり着き「一錠」を
舌下に含みましたが何らの変化がありません。息子に「911」に電話して救急隊を
呼ぶように指示しました。何分経ったでしょうか?5分もたたないうちに救急隊員が
駆けつけ、心電図を撮ったりしましたが、心筋梗塞ではなさそうだが、15分ほど
離れたところに有名なベイラー医大のGrapevine病院があるので、まずはそちらに移送して
CTスキャンをとるという指示が本部から出たようです。私自身は救急車の中での会話、
それにCTスキャンのところまでは意識もありました。このCTスキャンの結果分析の結果
「心臓発作、心筋梗塞」ではなく、「大動脈解離Aortic Dissection」なので、
専門外科医のいる同じベイラー医大のPlano Heart Hospital へ、ヘリコプターで
緊急移送することになり、このヘリに乗せられたところまでで記憶は途絶えています。

それにしても一刻も早く専門医のところへ移送しなければ、「命を落とす」ことに
なったそうです。あとは、翌週の11日(火)の午後、ベッドで目が覚めるまでは
9時間の大手術も、何も記憶がありません。開胸手術だったのと、肺の中の洗浄や
新しい動脈の装着など、かなり細かい手間のかかる手術だったようです。
いずれにせよ、初めて「入院・手術」という体験でしたが、アメリカの病院は
今回のような大手術でも一週間程度しか入院させてもらえません。ご承知の通り、
医療費が莫大な金額掛かることと保険会社側も出来るだけ最小の入院日数で対応を
希望しているので、何にせよ非常に短い入院期間です。後は自宅療養で、2週間後に
執刀医を訪問して更なる診断をしてもらうことになるのです。今回何とか「存命」できたのは
「奇跡」だとしか考えられません! これが、東京であっても今回のように順調に
専門医による手術を手遅れでなく受けることができたかは、分かりません。また、飛行機の中
出張先、いずれにしてもまだ「奇病」と言われる「致死率の高い」「大動脈解離」への対応は
99.999%不可能だったと思います。つまり、とっくに絶命していたに違いありません。

このような体験をした2011年1月が終わり、2月1日節分に末金さんからのお頼りが
届いた時には、本当に「ドキッ」としました!
何故なら、そこには「人生最後の日」の人々の思いが紹介されていたからです。
私の場合は、不思議と「死んでしまうのか?」
という思いがなく、すべてを関係者に託してその結果を甘んじて受け入れようという
気持ちでした。手術直前にいつの段階化は覚えていませんが、誰かが
「Mr. Yamamoto、開胸手術して、心臓周りもメスを入れますよ。良いですね?」と言ったのを
かすかに覚えており、私も「どうぞ、最善の措置をお願いします!」と言ったのを
覚えています。

それにしても、末金さんからのメールを読ませていただいて、今回自分の命といえども
「与えられている命」であることを痛感しました。60歳の誕生日を直前にして、
「新しい命」を授けて頂いたのであり、これからの「生き方」をどのように生きるようにしようか?
今までもっと声をかけて話をしたかった人々に間違いなくお話ししたい。
この会ってうんとお話ししたい人のリストが頭に浮かんできました。
命を与えられている今日一日を大切に精一杯、正直に生きていきたいと思います。
今回のお便りは、偶然ではないと思いますが、私にも非常に貴重なメッセージとして
大事に読ませて頂きました。本当にありがとう!

麗王にお越しになっていらっしゃる色々な方々とももっと仕事を離れてお話ししたいと
思っています。自分なりに構想してきた「沖縄の独自性と10~20年社会経済開発ヴィジョン」
のようなものもお話ししてみたいですね。今は、未だ飛行機に乗っての移動にも医者からの
制限がありそうなのですが、夏ごろには再会をさせて頂きたいと願っています。
今までの人生でやはり「ある力」を頂いたことに感謝しています!
何だか、未だ頭の回転が100%元に戻っていないためか、
メールの内容が理解しづらいかもしれませんが、悪しからず。

ではまた、

山本 洋司

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *

山本さんのお誕生日はあさっての3月3日。
今年もまたお祝いの日を迎えられることができた喜びをうんと味わわれることと
思います。心よりお祝い申し上げます。
この山本さんのメールを拝読させていただいて、2月のお便りにも
書きましたように、いつ終わりの日が来ても悔いのないよう、今この時を
大切に精一杯生きよう、そう改めて思いました。

湯船に浸かり、ただこれだけ、と自分の身体を確かめることがあります。
ほら、これが私の手、これが腕、胸。ただ、それだけ。どんなにあがいても、
「今、ここ」にしか在りようがないのです。
あの世へは、お気に入りのスプーン1本持っていくことさえできないのです。
今、ここで、ありのままの自分と、大切な人の笑顔、それだけでいい。
そんな風に感じることができれば、それこそが人生最良の時なのでは
ないでしょうか。
人生は禅の修業のようなもの。一回りして、何気ない日常に還った時に、
初めて生きとし生けるものの慈しみが判り、ごくささいなことでも有り難いという
感謝の気持ちが湧いてくるものなのでしょう。

さあ、あさっては桃のお節句。ひな祭り。
今では、女の子のお祭りと考えられることが多いようですが、もともとは
この日に川で手足を洗って心身の穢れを祓い、邪気を、身代わりの人形に移し
川や海に流し、家族全員の厄をはらい、夫婦円満を願うという
行事だったそうですから、子どもが男の子だけの家庭であっても、
家族の、周りのみんなの、幸せと健康を願ってぜひお祝いいたしましょう。
麗王でも、無添加の白酒や、手作り海鮮ちらしずし、無添加のひなあられ、
菜の花のおひたしなどで、古式ゆかしくひな祭りを祝おうと思っています。
あなたもぜひ一緒にお祝いくださいね。

【2011.3.1 末金典子】