12月26日(土)午後7時開講、『次世代金融講座 第4期』 受講者を、以下の通り募集します。

期間: 3ヶ月(12月~2月)
講座: 日程と概要は以下を参照下さい。各講座の開講時間はいずれも午後7時より2時間程度。
第一回目は12月26日(土)午後7時~、(全6回講座)

12月26日(土) 「経営と人事」 事業再生のケーススタディ
1月23日(土) 「経営と生産性」 10倍の生産性は可能か?
1月30日(土) 「企業金融・マネー経済・お金の本質」 誰も知らない、お金の話
2月13日(土) 「資本主義社会の変容とグローバル経済」 我々の社会の「生態系」を理解する
2月27日(土) 「事業戦略・沖縄地域経済・農業」 沖縄の次世代戦略
3月13日(土) 「リーダーシップ・行動するということ」 明日から、できること

*日程を一部変更しました。ご注意下さい。

場所: 那覇市『厚生会館』(みずプラッサB棟3階)  那覇市おもろまち1丁目1番2号3階
講師: 樋口耕太郎
定員: 30名
受講料: 3万円(消費税込、全6回講座分、学生は1万8千円)
受講資格: 業界・職業など不問
お申込み: 本ページ右下の「お問い合わせ」をクリックして、以下の内容をご送付下さい

①お名前
②メールアドレス(必須。できれば、数メガバイトの受信容量があるもの)
③ご所属と簡単な担当業務・役職

講座の概要: 現在までに100名が受講されている経営講座の第四期です。9月以降、更に失速感を強めているこの不況は、恐らくまだその入り口に過ぎません。誰も経験したことがないほど、長くて深いものになると思いますが、この環境にいかに対応し、次世代社会において機能する経営とは、事業とは、金融とはを問い、より良い事業や社会を構築するための処方を模索します。本講座は、6回の講座によって、ひとつの大きな世界観(社会の生態系)をお伝えする試みでもあり、可能であれば全6回のご出席をお勧め しますが、途中回を欠席せざるを得ない場合であっても、それぞれの講座は単独で受講して十分意味あるものとして構成されています。高度な概念を大量に扱い ますが、誰にでも分かりやすく平易に伝えることを重要視していますので、受講に際して金融知識、経済知識、経営経験などは不要です。

受講者の皆様へのメッセージ:


樋口耕太郎

現実を直視することは、誰にとっても辛いものですが、少なくとも私の認識において、観光地としての沖縄は数年前にピークを打ち、熱海、宮崎、グアムのように、一時繁栄を謳歌した後に凋落して行った無数の「観光名所」とほぼ同様の道筋を辿っているように思います。「観光立県」沖縄の実態は、世の中に普通に存在する原材料に「沖縄」の名を付して、質の低い高額商品を観光客や本土消費者に販売する「ぼったくり型」の慣行が定着し、県産品やみやげ物をはじめ、価格に到底見合わない品質の食事、夏のハイシーズンに法外なほど高騰する宿泊価格、リゾート地に似つかわしくない雑然とした町並み、日没の1時間以上前から遊泳禁止になるビーチ、広大なビーチにほんの僅かしか設定されない遊泳区域、一向に改善しない道路標識の分かり難さ、何度も議論されている台風足止め客への対応など、リゾート事業や行政などを含むサービス産業全体の劣化傾向が明らかです。

日本に限らず、世界中の事例において、観光地が没落する理由は、突き詰めると唯一、「質の低下」 だと思うのですが、観光地としての沖縄の質は著しくといって差し支えないほど劣化し続けており、それをもっとも顕著に表す、観光客一人当たりの平均滞在日数は、過去30年間ほぼ一貫して下降し続けています。沖縄への観光客は600万人に届くといわれていますが、既にそのうちの約半数290万人は離島への観光客です。この意味するところは本島への観光客は実質的に300万人程度に過ぎないということであり、このことからも、観光地としての沖縄本島は激しい衰退状態にあると考えるべきでしょう。主要観光施設への来場数も、海洋博記念公園(美ら海水族館)365万人、首里城公園250万人ということは、平均で2.5泊する本島への「300万人」の観光客が、一日北部と美ら海水族館、一日首里城公園と那覇を観光して帰路に着くに過ぎず、実質的に「沖縄観光」と言えるほどの深みと多様性は、既に消滅していると考えるべきかも知れません。沖縄が誇る「リピート率」の高さも、過去10年くらいのトレンドとして増加してきた離島観光と、本島におけるレンタカーの普及によって、毛細血管のように訪問先が増加したためであり、顧客は決して自分のお気に入りの場所に再訪(リピート)している訳ではありません。この傾向に持続性はありませんので、時間の問題でやがて量的成長の限界が顕在化するでしょう。

このように、観光ひとつを取ってみても、我々が直面する課題の大きさが想起されます。結局、問題の根源を特定せずに行う、全ての問題解決は対症療法に過ぎません。「問題解決」を行う人が無数に存在しながら、社会が一向に改善しないように見えるのは、それぞれの対処方法が間違っているというよりも、問題の根源が特定されていないからではないでしょうか。なぜ社会は今のような姿なのか、そしてそれはどのようにすれば治癒できるのか、に対する根源的な回答を特定せずに行う全ての対処は長期的に問題を拡大することにしかならないのです。

逆に考えると、始めに根源的な問題を特定することのみが、本質的な問題解決のプロセスであり、我々が本当に社会を良くすることを望むのであれば、それ以外の対処は無駄とはいわないまでも、著しく非効率です。したがって、沖縄県も、政府でも、どの組織でも、とうの昔に、「問題の根源」を特定していてしかるべきなのですが、これほど単純な原理が社会で殆ど議論されていない最大の理由は、人々が自覚しているか否かに関わらず、問題が解決してしまうと職や地位を失う人があまりに多いから、あるいはほぼ同様の意味ですが、自分自身のあり方そのものが問題だからなのかもしれません。すなわち、社会が改善しない最大の理由 は、我々自身がそれを望んでいないからである可能性が高く、それ自体もひとつの大きな問題を構成している、ということになります。

この社会の現状に対して、「王様は裸!」と声を上げるプロジェクトが、『次世代金融講座』です。我々の人生と社会を真に豊かなものにするためには、生産性を飛躍的に向上させることが不可欠ですが、それは現代社会が我々に求めてきたように、今の倍、更にその倍・・・と働き続けることによってではなく、そもそも我々自身と現代社会の在り方が著しく非効率であるということを自覚し、その事実に向き合うことによって可能です。映画「マトリックス」で、人類の救世主となるネオが、真実を知るための「赤い薬」と、知らぬが仏の人生に戻るための「青い薬」の選択を迫られ、「赤い薬」を手にします。次世代社会に翻弄される「青い薬」と、次世代社会を切り開く「赤い薬」、あなたはどちらを選択しますか?

お元気ですか?

今週はクリスマスですね~!
クリスマスの由来は諸説あるのですが、古代ローマ暦の冬至の日に行われていた
太陽神への収穫祭が最初で、のちにキリストの生誕祭と結びついてクリスマスに
なったと言われています。
冬至の頃は、日が短く寒く、古代の人々は闇への不安や恐れを感じる一方で、
不滅の太陽を信じて、盛大なお祭りを各地で行っていたようです。
クリスマスに様々なお料理を食べるのは、その年の収穫物をすべて食卓に
並べていた収穫祭の名残だとか。
クリスマスを厳かに過ごす習慣は、昔太陽が休んでいる時期に騒ぐと光が
戻ってこないと信じられていたためなのだそうです。
これらは現代のクリスマスにも引き継がれていますね。
恋人とロマンチックに過ごしたり、友達同士でワイワイ騒いだり…が主流の
ジャパニーズクリスマスですが、あなたはどんなふうにお過ごしに
なられるのでしょうか。

さて、こんなふうに季節の暦の折々にお便りをさせて頂きましたが、
今年も最後のお便りとなってしまいました。
毎回お読みいただき本当にありがとうございました。

きっと、いまこのお便りを読んでくださっている方で、食べ物やお金で
不自由している方はおられないことでしょう。ですが、生きることに悩み、
幸せだと胸を張って言えない方が案外多くいらっしゃるのではないでしょうか。
私達はすぐに他人と自分とを比べ、嫉妬し、常になにかを欲しています。
自分だけをより快適に、より豊かにと、無意識に生きています。
「いえいえ、我が子の幸せが無上の喜びです」という方がいらしても、それは、
「自分の」子供だからではないですか? 自分の母親だから、自分の息子だから
より良くと願う、これは人間の性なのでしょう。

でも、その「自分だけが」という気持ちが、やがて自分を追い込み、
心を疲弊させ、ときに人を自死に追いやる。他人を踏みつけてでも、
嘘をついてでもという気持ちが、自分も他人も傷つけるのです。
いま、世界で絶滅の危機に瀕している動物達。彼らは人間の発展の陰で、
いのちを削らざるを得なくなった犠牲者です。

あと10日ほどで丑年から寅年へと変わりますが、その虎や、
この沖縄のイリオモテヤマネコも、「近い将来」に絶滅するしかない種である
という事実を知り、自分達の身勝手な行いが地球環境をいかに歪めてきたかと
感じざるを得ません。

あなたが2010年に手に入れたいものはなんですか? モノやお金ではなく、
そろそろ心を耕して、「自分だけ」という考えを越えて生きてみませんか。

お釈迦さまが涅槃に入られたとき、沙羅双樹は時ならぬ花を咲かせ、
師を囲むように弟子や老若男女、虎をはじめ、多くの鳥獣が慟哭したのだとか。
お釈迦さまは命あるものすべてに心を働かせておられたのですね。
孤独死が増えている現代とはなんという違いでしょう。

いかに生きたか。それは、お金やモノの問題ではなく、喜びや悲しみを共有する
仲間の有無、すなわち後ろを振り向いたときに、誰がどんな顔でそこに居るかが
問われるのではないでしょうか。

まずは、あなたの周りにいる人達、あなたが知り合った全ての人達、動物達に
あなたの愛を惜しみなく与えてあげてくださいね。
愛は決して枯渇しないのだから。
もらおうもらいたいと思うあなたは「無い人」ですが、
求めず与えていくときのあなたは「豊かな人」なのだから。
そして、このクリスマスやお正月には愛する人たちと共に楽しく楽しく
お過ごしくださいね。

さて。
本当にあっという間に、一年の終わりということになってしまいました。
なぜとはいえない気ぜわしさと、街の賑わいとはうらはらに一抹のさみしさも
おぼえる時です。忙中に閑あり。

そして。
今年も本当にありがとうございました。
世の中も大きく揺れ動いた今年一年でしたが、私にもこの一年いろいろなことが
起こりました。
ひどい腱鞘炎には一年中悩まされました。右手はほとんど使えず激痛が襲い、
二ヶ月に一度は注射を打ち続けて凌いでいました。その他にも小さな事も含め
本当にいろいろと…。
そんなふうに自分の身に何かが起こる度ごとに、
その道のエキスパートのみなさんに教えを乞い、助けていただきました。
医師、薬剤師、検査技師、建築士、会社経営者、マスコミ関係、司法書士、教師、
税理士、会計士、銀行マン、弁護士、政治家……
数え上げるとキリがないほどです。
つまりはそれだけたくさんの異業種の素晴らしい方々に、
支えていただいているんだということをしみじみと想いました。
だからどんなトラブルが起ころうとも、いつもそういう方々に
支えていただきながら今日があることの幸せの方が、どんなに幸せなことかと
胸が熱くなりました。
いつもお心にかけていただきまして本当にありがとうございます。

あなたが穏やかに一年を締めくくることができますように。
そして何より、あなたがどうかこのうえもなくお幸せでありますように。

【2009.12.22 末金典子】