今年の夏は暑かったですね~!…と、もう過去形になるほど、秋の風が何やら
吹き始めています。
あなたのこの夏はいかがでしたでしょうか。
9月になりますと、「秋分の日」「十五夜」と、もうすっかり秋の暦。
本当に季節の巡るのの早いことったら!あれよあれよという間に今年だって
もう明けてしまいますよ~。

さて。先日のこと。
麗王で私の15年程前の写真を見た方が私に向かって
「このかわいい女性は誰なの?」と冗談ではなく真顔で聞かれるんです。
「もちろん私ですよ~。」とお答えすると、
「は?ウソでしょ~?本当は誰なの?」と。
……。
昔の私を褒められて嬉しいと喜ぶべきか、
今の私は昔の写真から想像もできないほど老けているのだと知って落ち込むべきか…。

最近、仕事机に、鏡を置いてみました。
パソコンを立ち上げてにらめっこして、ふと目線をあげると自分の顔がその鏡に
映っています。最初はぎょっとして、いかに自分が険しい顔で仕事をしているかを見て、
一瞬にして目を伏せてしまいましたが、最近は、しっかり見られるようになりました。

への字になった口元の口角をあげてみたり、ほおや額を指で持ち上げてみたり、
あれこれ自分の顔を触ってみるのですが、どう頑張っても昔の自分にもどれません。
でも問うてみます。
昔のほうが好き?
答えはノー。
確かに若かった頃の顔のほうが良かったと思うけれど、好きなのは今の自分。
パートナーとも巡り会え、仕事も今まで続けることができました。
鏡に写った自分の顔をまじまじと眺め、様々なことを思いおこし、まあいいか、と
許してあげました。
実は見ているのはシミや皺ではなく、頑張った自分の瞳の奥だったのです。

昔から持っているその古い鏡に映った自分。
綺麗とはほど遠く、欠点ばかりではあるけれど、ごく簡単なお手入れを続けてきた
自分にも今は愛おしさを感じています。
なので今は鏡をのぞくたびに自分ににっこり笑うようにしています。
シミや皺を気にして、歳を取るのを嫌がらず、気にせずに、
それよりも、「心の皺」は深くしないように努めたいです。

あなたも鏡をまっすぐにのぞき、自分の名前を10回、はっきりと声に出してみて。
きっと誇りが甦ります。

「20歳の顔は自然の贈り物。50歳の顔はあなたの功績。」
ーココ・シャネルー

月曜日は敬老の日。
老いることを厭わずに、歳を重ねた功績にどうぞ目を向けてみてくださいね。
登った山から見える景色もまた格別なものですよ。

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麗王
トリニティ株式会社
末金典子

ここ沖縄は先月にもう梅雨明けし夏真っ盛り! ひゃぁ~!暑いのなんのって!!
あなたはお元気にお働きでしょうか。

私はこの2月に母を亡くしたのですが、もう28年も沖縄と大阪で
離れて暮らしていたとはいえ、愛する人が亡くなると、生活にはいろいろと変化が
起こるものだなぁと感じています。
自然災害などでたとえ見ず知らずの人が亡くなったときにであっても、
私達の考え方には変化が生じます。
死は人生につきものであり、死を思うたびに、私達は人生を大切にしようと
考えます。
そしてそんなことを思うたびにいつもこのお話を思い出すのです…。

タイの高僧の有名な逸話なのですが、
陶器のお茶碗を手にとり高僧がお弟子さんに言われたそうです。
「これをご覧なさい! この茶碗にはひびが入っています。」
お弟子さんはそのお茶碗に近づいてみましたが、ひびなどまったく見えませんでした。
すると高僧がおっしゃるには、
「ひびは今は見えませんね。でも、ひびは現にあるのです。いつか誰かがこの茶碗を
落としたら、ひびは現れ、最後には割れてしまうのです。それが宿命なのです。」
高僧はさらに続けて、
「ですが、、もしこの茶椀がプラスチック製だったら、そういう宿命を持ちませんし、
ひびも入らないでしょう。落としたり、踏んづけたり、蹴飛ばしたりしても、
壊れることがないとなると、大切に扱う必要もなくなるでしょう。
でも、今私が持っているこの茶碗は壊れものですから、大切に扱う必要が
あるのです。」
ここで高僧は力を込められ、
「それと同じで、あなたたちの体にもひびが入っているのです。ただ、そのひびは
今は見えません。でも確実にひびはあるのです。なぜなら、あなたたちは将来
死ぬからです。いつの日か、事故に遭ったり、病気になったり、年をとったりします。
するとひびが表に出てきて、あなたたちは死ぬのです。それがあなたたちの
宿命なのです。」
そして、高僧はこう結論づけられたそうです。
「もしあなたたちの人生が永遠に続くのなら、そして、もしあなたたちの人生が
プラスチック製の茶碗のように壊れないものなら、人生を大切に生きていく必要は
ないでしょう。ですが私達の体はいわば壊れものであり、いつか死ぬ運命に
あるのです。だからこそ、私達は今を大切に生きる必要があるのです。」と。

人間関係も陶器のお茶碗と同じく壊れものですから、お互いに大切に
つきあう必要があるのですね。
「幸せの中にもひびが入っている」ことを理解すれば、日々の喜びを当然とは
思わなくなりますものね。
人生がいつか終わることを心から理解すれば、人は一瞬一瞬を大切に思うように
なるのでしょう。

あなたにも私にも、見えないひびが入っています。
形あるものは、いつか滅びます。
連休の海の日には広~い大~きな海でも眺めてう~んとリフレッシュして、
人生、終わりがあることを忘れずに今を大切に生きましょう!

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麗王
トリニティ株式会社
末金典子

空梅雨の今年の沖縄ですがカラッと晴れるわけでもなく妙にじとじととしていますね~。
今日からはようやく雨模様のようですのでダムに少しでも多くのお水が溜まると
いいですね。

あなたはお元気にお働きでしょうか。

母が2月に亡くなり、残された父はとても楽観的な人なので案外大丈夫でしょうと
思いきや、男性というものは繊細なものなのでしょうね。腎不全が悪化してしまい
透析治療を受けることとなってしまいました。
私は生き方としては母から強い影響を受けましたが、
父からは読書することや文章を書くことの影響が強かったように思います。
いろいろな本を父から薦められましたが、なかでも一番心に響いたのが、
80年前に書かれた本が今の時代とリンクして漫画化され今や200万部越えの
大ヒットになっている吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」という本でした。
この本は1937年に出版された、コペル君とよばれる15歳の少年が叔父さんとの対話を
通して成長していく物語です。
どのエピソードもとても素晴らしいのですが、私は特に「ニュートンの林檎と粉ミルク」の
お話がすごく心に残っています。
まだ読んだことがないという方は是非お読みになってみてくださいね。

さて。
人間は弱い生き物ですから、自分で決定することに躊躇します。
果たして、それが正解なのか、間違いなのか、状況を見極めようとします。
場合によっては、過去のデータを持ち出して確率を高めようとする者までいるでしょう。
あるいは、友達や親や兄弟や先輩に意見を求めるかもしれません。
誰もが傷つきたくないのです。だから、正解を選びたいと思います。
生き方を自分が決定することより、間違えない生き方を選ぶことを優先させようと
思っている人がたくさんいるのではないでしょうか。

コペル君の叔父さんのノートに、「ありがたい」という言葉を考えてみなさいとあります。
「ありがたい」とは、「感謝すべきことだ」とか「お礼を言うだけの価値がある」とかと
いう意味で使われていますが、この言葉のもとの意味は、「そうあることがむずかしい」
という意味であり、「めったにあることじゃあない」という意味だと書いてあります。
自分の受けている幸せが、めったにあることじゃあないと思えばこそ、わたしたちは、
それに感謝する気持ちになるのだと。

確かにそうですよね。
わたしたちは、生きているだけで「ありがたい」のです。
自分で決定して間違えようが、傷つこうが、遠回りしようが、「ありがたい」のです。
言い方を変えれば、「自分の生き方を自分で決定できること」こそが
生きるということなのです。
「自分の生き方を決定できるのは、自分だけだ」叔父さんのノートには、
そう書かれています。

この「君たちはどう生きるか」が80年経って大ベストセラーになったのは、
誰もがコペル君のように、悩みながら生きていて、心の中に「叔父さんのノート」を
求めていたからなのでしょう。
正解も間違いもありません。
結果より、「わたしはこう生きたい」と思うことが、自分の生き方を決定する
ということなのかもしれません。

「あなたはどう生きるか」

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