ほんのり暖かくなってまいりましたね。お元気にしていらっしゃいますか?
日曜日は桃のお節句。おひな祭りですね。

麗王ではなぜだか毎年女性のお客さまの比率がどんどん増えつつあって、
お客さま全員が女性、なんて日もあるぐらいですので、
いつもお届けしておりますこの麗王便りも今回はおひな祭りということもあり
女性を意識して書いてみようかしらと思います。

ある女性が家族同様に可愛がっておられるワンちゃんが悪性リンパ腫で
余命一ヶ月と診断されてしまったそうです。彼女は、残る命が短いなら、
今までは栄養バランスのためにとどう見ても美味しそうではないドライフードしか
食べさせていなかったけれど、もう美味しいものを食べさせてあげたい、
そう考えて、その宣告以来、鶏のササミやブロッコリースプラウト、
椎茸を煮込んだスープなど良質のタンパク質とお野菜の手作りご飯に毎日の食事を
替えてあげたそうです。すると驚くことに、みるみるリンパの腫れがひき、
ワンちゃんはすっかり元気を取り戻したとのこと。2年経った今では
走り回るまでに復活し、お医者様もびっくり。
以来、ドライフードはもう捨ててしまったそうです。
彼女曰く「最近はオーガニックフードも多く出ていて、
実際自分で食べてみたんだけど、素材の味は全くしないし、ドライフードは
やっぱり美味しくない。かと言って病気の時のように毎日手作りも大変。
そこで見つけたのが素材の味がしっかりする美味しい無添加の犬用缶詰。
食べてみて私が美味しいと感じたので、今はそれをあげているの。」とのこと。

歳を重ねていくと、人間も動物も体力が衰え、病気にかかりやすくなるのは
仕方のないこと。治らない病気だってあると思います。
でも、やはり毎日の食べ物こそ免疫力に重大な影響を与え、
健康状態を左右するということを、さっきのワンちゃんは身をもって
教えてくれているように感じました。
そりゃあそうですよね。身体は食べる物でできているのですから。
人も動物も、良質のタンパク質とお野菜を中心に、添加物の入らない食事を
摂ることが何よりも大切なのだと思います。
ウチの猫ちゃん達も、ドライフードの時と違って、お魚やお肉などをあげる時の
喜びようは見ていて笑ってしまうほどの興奮ぶり。
それがすべてを表していると思います。
私達だって、いくら栄養バランスがいいからって毎日毎日同じ丸い粒々を
お茶碗に入れて出されてもねぇ…。

ただ、確かに自分の身体が喜び、美味しいと感じる食べ物を毎日得るには
少しお金がかかるかもしれません。でもそのぶん、一生懸命働くこと!なのだと
思います。頑張って自分で働いたお給料で、こだわった食事を毎日摂り、
楽しんで生きる。それがいちばんの健康の秘訣ではないでしょうか。
そして、できることなら彼やだんなさまと一緒に作ってみてはいかがでしょう。
二人にとって、お料理すること、食べることの楽しさが格段に
違ってくるはずですから。なぜなら、二人で作るのなら手間が半分で済みますし、
お料理って、作ることによって美味しさが倍増するものなんです。
「食べること」は、死ぬその日までずっと毎日続いていくもの。
毎日のその時間が、楽しいイベントであるのか、
ただ栄養を摂ってお腹をふくらますだけのことであるのかでは、
人生の質というものがぐっと変わってくることと思います。
また食卓で交わされる会話の質や充実感、ひいては愛情にまで影響を及ぼし、
毎日のその積み重ねが、人生のゴールにおいて全く違ったものを
もたらすことでしょう。

それにはお互いがしっかり働かなければ!
最近、若い女性達は美容や食べ歩きには興味があるけれど、自分がこれから長く
生きて行くこと、社会で力をつけることに関心が薄く、他力本願な人が多いように
感じます。
不況や雇用不安も影響しているかもしれません。でも、むしろそうならば、もっと
意識を高く持つ必要があるように思うのです。私は、結婚しても出産しても、
女性だって一生働くことが必要だと思うのです。

なぜ人は働かなければいけないのでしょうか。
子供の時は両親や友人から必要とされ、愛されることで自分の立ち位置を
確認できました。でも大人になると、社会の中での立ち位置を与えられ、
人から必要とされ、感謝されることで切磋琢磨し、視野や世界を広げていきます。
仕事は公平に社会から評価されるもの。ほめられるだけでなく、ときには
批判だって多々受けるものです。でも厳しさがあるから人は成長し、自分を正しく
客観視でき、一個人の大人としてのアイデンティティを確立できるのです。
家族から評価され、感謝されることももちろん大切。子育てで一時期仕事を
離れる人も多いでしょう。
でも、家庭内の自分だけでなく、一人の大人として自信を持ち、人として
バランスよく生きていくには仕事を持つということが計り知れない意味をもつと
思うのです。

自分の人生をどう生きて行くか。それは自分自身が決めること。
心地よく生きて行くには、最低限の収入はいったいどのくらいなのか。
どんな仕事のある人生なら心地よいのか、どんな毎日なら幸せなのか、
すべて自分が選ぶことです。今、もし納得のいかない状況にあるとしても、
それは自分が決めてやってきたことの結果です。なんでも物事は自分次第。
すべての責任は自分にあります。せっかく命を与えてもらったのに、
自分の才能を無駄に遊ばせることになるのはとっても残念です。
恋愛や結婚は、幸せへの近道じゃありません!
本当に意味で幸せを得るために、失ってはいけないもの、それは仕事です。
生きて行くってすごく大変なこと。想像を超える試練に遭遇することも
あるはずです。でもそこで高いハードルを乗り越える強さを持ち、再び幸せを
感じられるようになるには精神的にも経済的にも自立していることが
不可欠なのです。
こんな時代だからこそ、幸せになるための生き方を問いかけ、信じた道を
進みたいものですね。

さあ、日曜日は桃のお節句。ひな祭り。
今では、女の子のお祭りと考えられることが多いようですが、もともとは
この日に川で手足を洗って心身の穢れを祓い、邪気を、身代わりの人形に移し
川や海に流し、家族全員の厄をはらい、夫婦円満を願うという
行事だったそうですから、子どもが男の子だけの家庭であっても、
家族の、周りのみんなの、幸せと健康を願ってぜひお祝いいたしましょう。

【2013.2.28 末金典子】

お元気ですか? 暦の上ではもう春ですね~。
春というだけで、なんだか、ふんわり、ほんわかとした気持ちになってくるから
不思議です。
そのほんわか気分そのままに来週はヴァレンタイン・デーですね~。
前回は鬼の話なぞをお届けしてしまったので、今日はちょっとロマンチックに
愛することについて書いちゃおうと思います。

そこで、まずは呼吸のお話からなんです。

「吸うよりも、まず吐くのですよ。」
こう聞かされたときには、たじろぎました。
呼吸といえば、まずは新しい空気を胸のなかにとり入れる、
という考えでいましたから。
「吐く」ってことは二の次で、なんだか「吸う」ほうにばかり
熱心になっていたようです。
「吐いてから吸う」と教えておられるのは、自然流育児で有名な小児科医・
真弓定夫先生です。
母親の胎内にいるとき、ひとは、母体とへその緒で結ばれていたから、呼吸は
へその緒と胎盤を通じて行われるのだそうです。
生まれ落ち、肺呼吸に切り替わるときに、肺や気管のなかにたまったものを
まず吐きださなければならない。
肺の中の空気をできるだけ多く出すことによって、酸素交換の効率も
高まるのだとか。
なるほど。ひとは生まれてきてまず最初に吐き出すことから始めるのですね。
これがひとの基本ならば、欲張らずにこれからは物でもお金でも愛でも
「出してから入れる」を心がける時代かもしれません。

そういえば…往年の名女優達やココ・シャネルなど成功の人生を歩んだとされる
女性達に共通していたのは、愛されるという受け身ではなくて、愛することに
喜びを見出した人達だったということでした。
人は生きる上で愛を得たいと思うものですが、愛されたいと願っても、
そう簡単にはいきません。
でも私が感じたことは、愛されるより愛するほうが、
信じてもらうより信じるほうが、人は輝くということです。
愛する喜びは人を強くし、輝かせるのですね。

でも現実として、先のことはわからないものです。
例えば、人を好きになり、その人との愛が成就するかに保証はありません。
愛を育むにも、1年後も恋人の気持ちは変わらないだろうかと考えると
不安になりますが、それはいくら悩んでもわかりません。
また理想とする愛の形に苦心しても、相手に無理強いするわけにもいきません。

信じることも、また難しいものです。
そのため現代では、愛の関係性にリスクヘッジの考え方を持ち込む人も
いるようです。ひとりを信じて結婚を決めるより、金融商品の投資先のように
相手を複数揃え、どこにヘッジをかけるのがいいかと値踏みする、といった
具合です。これも不安ゆえの行動だと考えられますが、信頼のないところに
果たして愛はあるのでしょうか。自分の選択を信じられなければ、
愛する人のこともまた信じられないのではないでしょうか。

ちょっと唐突な例ですが、猫はとても猜疑心の強い動物です。でも一旦馴れれば、
身体をごろんと横たえて、飼い主にお腹を見せもします。この無防備な行動は
「あなたにすべて任せてもいいですよ」というサインですが、私は人間の愛も
同じだと思うのです。愛の本質は、自分自身を投げ出すことができるかにあります。
これは単なる自己放棄ではなく、自分を持ちつつ、相手に自分を
投げ出していいという心情です。
自分を投げ出すには相手を信じる必要があり、また投げ出すからこそ、
相手を信じられるようにもなります。
つまり愛は「信じる」ことに通じるのです。
だから愛は必要であり、人は誰かを愛さずにはいられないのでしょう。
かの文豪トルストイあの最後のメッセージは
「人は愛によって生かされていくもので、愛を自覚した人間の結びつきが、
この社会を支えていく。愛こそが最後の拠りどころ」というものでした。

今あなたには心から愛するひとがいますか?
その愛を深めるためにも、ここに確実に存在するお互いが深く愛を感じ合い、
今とここを、まずは精一杯生きてくださいね。
来週はヴァレンタインデー。
どうぞそんな一日をお過ごしくださいますように。

【2013.2.7 末金典子】

本土は厳寒・大雪ということで、さすがの沖縄も寒い毎日が続いていますね。
あなたはお元気にしていらっしゃいますか?

1月も早や今日で終わり、2月に入ると日曜日はもう節分ですね。
立春が一年の始まりだった昔は、新しい年神さまを招く前に、来る年の災いである
鬼を祓う行事として、立春前夜に行われたそうです。
そう考えると「鬼は外、福は内」の理由がわかりますよね。
それに、新年のエネルギーは一月ではなく二月の節分を越えたあたりに
動き始めるのだとか。つまり、節分を越えると、今年のエネルギーが非常に
はっきりしてきますので、今年の幸せに向かう目標や新しいトライは、
この頃にまっさらな気持ちで始めてみるのもいいかもしれません。

ところで、年の数だけお豆をいただくのは何歳まで続けるものなのでしょう?
健康に過ごすためと申しますが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」……。
25歳あたりでもう一区切りにして欲しいものですよね~。
小さい頃には弟と一緒に「鬼は外~、福は内~」と盛大に撒いていたのですが、
母はさぞかしお掃除するのが大変だったことと思います。
大人になったら、ついお掃除のことが頭に浮かんでしまい、かなり少なめに
部屋の片隅にちょろりっと撒くようになりました。

さて、「おに」の語は「おぬ(隠)」が転じたもので、元は人に災いをもたらす
目に見えない隠れたものが「鬼」と呼ばれていたそうです。
おぬ(隠)鬼の姿は見えないはずなのに、いつしか見える存在としていろいろな話に
登場するようになりました。私がこの季節に毎回のように御紹介させていただく
濱田廣介さんの童話「泣いた赤鬼」もそうですし、桃太郎が犬・猿・雉を連れて、
鬼が島の鬼を懲らしめる話や、足柄山で熊と相撲を取っていた金太郎がのちに
源頼光の家来になり、酒呑童子という平安時代の京都付近で暴れまわったとされる
部下を大勢従えた強く巨大な鬼を退治するという話などもあります。

話を元に戻しますが、鬼とは、つまりは「おぬ(隠)」であり、人に災いをもたらす
目に見えない隠れたものだったのですね。
それはひいては「自分の心」とも言えなくはないでしょうか。
幸せも不幸せも、怖れや悩みや不安や喜びも、みんな自分の心が創り出すもの。
特に怖れなどのネガティブな気持ちは人を鬼にさせたりもするものです。

麗王にいらしてくださるみなさまは40代前後の方が多いのですが、
昔は「不惑」とされた40代、でも今は40代からでも望めば恋愛・結婚・出産の
可能性だってありますし、子育てが一段落して大学院を目指したり、
留学したりする人もいるように可能性がどんどん広がっている時代です。
でも現実的には、親の介護に直面したり、プレ更年期に突入したり、プチうつに
なったりと、様々な問題が発生しやすい時期でもあります。
思春期から初老期までの間に人が経験する多彩なことを、一人ひとりがそれぞれに
やっている、というのが今の40代前後の方々の現実ではないでしょうか。

自分とは違う生き方をしている人を見て、自分はこれでいいのかと
悩んでしまったり、揺れ動いたりするのは、他の人々が基準になっているから。
誰かのようになれない自分を、頑張っていない私は価値がないと
否定するのではなくて、「人は人、自分は自分」だと思うことが大切だと思います。
生き方が多様化している時代に、自分が何を選び、どう生きていくか、という
基準は自分の中だけにしかありません。

あなたの今は、過去からの努力の結果。よくやってきた自分を認め、ありのままの
自分を肯定することで、もっと生きやすく、幸せが見つけやすくなるかも
しれません。
自分の心に棲むおぬ(隠)を退治し、自分の今を肯定し、幸せの基準を自分の中に
おいてくださいね。

さぁ、日曜日は節分。
複雑な課題の多い今日この頃、厄払いはしっかりとしたいものです。
あなたも大きな声で豆をまいて。
「鬼は外、福は内。」
私も邪気を払うべく、豆を今までより少し多めに撒き、しっかりと年齢分
いただくことといたしましょう。
そして今年の恵方の南南東に向かって、幸運をおいしく呼び込む恵方巻き寿司を
ガブリ!とまるかぶりなさってくださいね。
今年一年の幸せを、今日を生きていることの幸せを、心から願って。

【2013.1.31 末金典子】