年末年始の夏日のような暖かさはどこへやら、1月の後半からは
沖縄本島で初のみぞれも降るなど冬らしく寒い日が続きましたね。
インフルエンザも流行っておりますが、あなたはお変わりございませんか。

明後日の日曜日はバレンタインデーですね。
バレンタインデーというと、若い女性のための恋のお祭り、という印象が強いかも
しれませんが、この日の歴史は古く、ルネッサンスのヨーロッパの宮廷では
紳士淑女が愛を記念して食卓を囲んだり、ゲームに興じていたという記録が
あります。由緒あるものなんですね~。
御存知のとおりバレンタインデーとチョコレートの結びつきは日本独自のものです。
面白いことに古い時代のヨーロッパではバレンタインデーには鳥料理を食卓に
出すのが宮廷での定番だったよう。仲睦まじい鳥のカップルにあやかろうと
したのだとされています。
2月14日頃に小鳥たちがつがいになるという伝承もあり、このあたりが
バレンタインデと-恋が結びつくきっかけになったのかもしれませんね。

さて。
私の好きな言葉に
「スコアボードではなく、グラウンドで行われている試合をしっかり見る」
というのがあります。結果やデータを知るのに一所懸命になるのではなく、
実際にそこで変化していること、そこで動いていること、そこで起きていることを、
よく観察するという意味です。
何でも簡単に知ることができる時代だからこそ、とても大事なことだと思います。

永六輔さんが以前こんなふうなエッセイを書かれていました。
通信簿をお母さんに見せたら
「これは学校の先生がお前を見ているのであって、私には関係ない」
と言って、一切見なかったそうです。
通信簿に表れない自分の息子の良さがあると思うお母さんの気持ち。
ちょっと極端だけど、とてもいいお話だなと思いました。

常々思い、麗王でも心がけていることは、
どんなことでも、よく見るということです。
よく見るということは、見つめるということ。
見つめるということは、隠れているいいところを見つけるということ。
人でも、モノでも、見えていることがすべてではありません。
自分のことを贔屓目に考えてみると目に見えないすてきなところや
自信のあるところ、いろいろな秘密もありますよね。そういうものは、
ぱっと見では見えませんもの。

いいところを見つけられたら、それは自分が第一発見者であり、
自分だけの「好き」になります。そういう「好き」は一生の宝ものです。
たとえば、人を好きになることも、見つけた宝ものがあってのことでしょう。
宝ものなんだから、自信を持って大好きになればいいのです。

このバレンタインデーを、大人の穏やかな愛を大好きなあの人に伝える、
いいきっかけにしてはと思います。

【末金典子】

1月も早や終わり、明後日はもう節分ですね。
節分というのは、平安時代の宮中儀式「追儺(ついな)」が始まりといわれていて、
この日は立春の前日で文字通り季節を分ける境目。
旧暦でいう大晦日なんです。それで前年の悪疫邪気払いの行事として
この「追儺」が行われていました。

では、なぜ「豆」を投げるのでしょう?
実は鬼の目「魔目」に豆を投げれば「魔滅」するからだとか。

じゃあ煎った豆でないといけないのはどうしてでしょう?
生の豆は芽が出てくるため、そこから鬼が芽を出という説や、
豆(魔目)を煎ることにより鬼を退治するという説もあるそうです。
つまり豆自体が鬼なので、外に投げ「鬼は外!」、あるいは
食べてやっつけろ!というわけですね。

そして節分が明けると立春。旧暦の新年です。
新しい年のエネルギーは一月ではなくて、二月の節分を越えたあたりに
動き始めるのだとか。つまり、節分を越えると、今年のエネルギーが非常に
はっきりしてきますので、今年の幸せに向かう目標や新しいトライは、
この頃にまっさらな気持ちで始めてみるのもいいかもしれませんね。

さて、作家の松浦弥太郎さんが、いつも通っておられる理容室のご主人に
こんなことを聞かれたそうです。
「お仕事でいつも心がけていることはありますか?」と。
なぜなら長年行きつけておられながらも、慣れることなく常に礼儀正しく、
さりげなくこまやかなお客さまへのあたたかい心配りに、
いつも感謝と感動で胸がいっぱいになっておられたからだそうです。

「そうですね。『添え手』という言葉がありますように、仕事はすべて
その心持ちです。」と、ご主人は微笑みながら答えてくださったそうです。

何をするにも、必ず手をやさしく添えて、次の動作なり行いを相手に知らせる
ひと手間をかける。また、手をそっと添えていることで、何があってもすぐに
助けることができる心づもりとでも言いましょうか。

見えなくともその先にいつでも生身の人がいることを忘れずに、
単なるていねいさだけではなく、相手をおもんぱかった振る舞いと、
少し先を読んだやさしさこそが、どんな仕事においても大事であると、
ご主人は教えてくださったということです。

私の仕事は、あなたが麗王にいらしてくださった時に、たのしく、
幸せな心持ちで、笑顔で溢れた時を過ごすことができるように
心を尽くすことです。

この「麗王便り」も大切な人へ一か月に一度か二度お手紙を綴るように、
人を想う愛情という心を精一杯働かせて書いているつもりです。
そして、理容室の御主人のように、「添え手」という言葉をお守りにして、
あなたへ手を添えることを決して忘れずに、仕事という日々を過ごしていきたい、
新しい節目に改めて自分に言い聞かせました。

水曜日はあなたも大きな声で豆をまいて。
「鬼は~外、福は~内!」
複雑な課題の多い今日この頃、厄払いはしっかりとしたいものです。
私も邪気を払うべく、もっと元気になるべく豆を今までより少し多めに撒き、
しっかりと数え歳プラス1個のお豆をいただくことにいたします。
そして今年の恵方の南南東に向かって、幸運をおいしく呼び込む
恵方巻き寿司をガブリ!とまるかぶりするぞ~!
あなたと私の今年一年の幸せを心から願って。

* 麗王でも水曜日は「無添加恵方巻」を御用意いたしておりますよ~。

【末金典子】

新しい年が始まりましたね!
今年の沖縄のお正月はまるで常夏!?とでもいうぐらい暖かい毎日でしたが
あなたはどんな2016年の始まりをお迎えでしたでしょうか。
私はと言いますと、ごくごくオーソドックスに、大晦日は年越しそばをいただき、
紅白歌合戦を観て今やもうついていけない流行歌のお勉強をこなし、
おせち料理をゆっくり作り元旦にお雑煮・お屠蘇とともにいただき、
初詣には普天間神宮までランニングで行ってお参りをし、初風呂の後は
ヨガも楽しみ、あとはひたすら読書とお料理とDVD三昧というお正月でした。
久々にそういうのんびりとした時間を持つことができましたので、
改めて昨年という年を振り返ってみました。
あなたにとってはどんな一年でしたでしょうか。
禍福さまざまでしたが、とりわけ、戦後70年にあたる年として、いろいろなことを
考えた年だったように思います。

話は少し遡りますが、2001年9・11の後に、アメリカでブッシュ大統領に
武力行使権限を与える決議に対して、上院は98人、下院は420人、
ほかの全員が賛成するなかで、たった一人だけ反対票を投じた下院議員が
いたということを覚えておられるでしょうか。バーバラ・リーという女性議員です。
彼女は、武力の悪循環が制御不能にならないように、熟慮して
決断すべきだと異論を提示しました。すべてが同じ流れに動くときに、
圧倒的多数に対して、一度冷静に考えようという投げかけは、とても
勇気がいる、大きな意味のあるものです。

日本では、安全保障関連法が9月に成立しました。これは、暮らしを
左右する大きな転換です。集団的自衛権の行使容認や、その先の
憲法9条改正が取り沙汰される流れのなかで、賛成にしろ反対にしろ、
私達個人個人がしっかりと考えを持って判断できるようにしなければ
ならないのだと思います。誰かがやってくれるだろう、誰かが考えてくれるだろう
とはもう言っていられないときなのではないでしょうか。
今後もしっかりと注視していきたいものですね。

しっかりと考えたい暮らしの問題は、ほかにもいろいろとあります。
原発やエネルギーの問題をどう解決し、暮らしやすく接続可能な社会に
していくのか、
貧困や経済的な格差をどうなくしていくのか、
都市と地方の格差を少なくし、どこに住んでいても豊かに楽しく
生活できるようにするにはどうすればよいのか、
子育てしやすい社会や、高齢者が安心して暮らすことができる世の中に
するには……。

麗王で様々な立場の方々とこういったいろいろなお話をさせていただいていて
いつもつくづく感じることですが、私達は多様な考えや立場の人たちと
共生しています。
それぞれの人を慮り、相手の気持ちをきちんと理解して行動しつつ、
自分の考えもしっかりと持って誠実に伝えていきたいものだと、
新年の最初に改めて思いました。

今年も麗王でのひとときを優しさや楽しさで包むことができますように。
私もそんな想いで今日からスタートをきりたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます!

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7日の木曜日は七草です。
歴史は平安時代にさかのぼります。
朝廷では一月七日に若葉を摘み、冬の寒さを打ち払おうとする習わしが
ありました。
一方、海を隔てた中国でも、この日に7種類の菜の煮物を食べれば、万病に
かからないという言い伝えがありました。
七草がゆは、この日本と中国の風習が合体し、一月七日に、一年の無病息災を
願い、七草を入れたおかゆをいただいて、冬に不足しがちな野菜を補い、
お正月の暴飲暴食で疲れた胃袋をいたわるという古人の知恵が、
現代に生き続けている行事なんです。
お休みモードからふだんの生活に切り替えるきっかけとしてはとっても
おすすめです!
麗王では4・5・6日はおせち料理を、7日はこの七草粥を
御用意しておりますのでぜひ召し上がってみてくださいね。

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麗王
トリニティ株式会社
末金典子