少~しずつ秋の風が吹き始めているここ沖縄ですが、 夏の疲れなど出てきやすい時
でもあります。あなたはお元気にしていらっしゃいますでしょうか。

わたくしはと申しますと、先月も書かせていただきましたように、
7月初旬から9月初旬にかけて体調を崩し麗王も二ヶ月もお休みしてしまい
みなさまにご迷惑をおかけしてしましまいました。大変申し訳ございませんでした。

病気静養中の時っていろいろなことを思考するのですが、
今回は、「みんな、なんでも早くすることがうれしい時代なんだなあ。」と
よく思ったものです。

調べものはインターネット検索できて、連絡手段はメールが主になり、
仕事も料理も時短、時短。そしてまた飛行機や電車の速度もさらに増しています。
それはすべて私達が忙しいから生まれたニーズによるものです。
けれど、これから先、「早いことがうれしい」を、当たり前にするのは、
ほんとうによいことなのでしょうか、と思ったりもしています。
あなたはどう思われますか?
ひとつひとつの仕事や用事が早くできるということは、うれしい半面、
それだけ一日にこなす仕事や用事の数も増えていきます。
ほんとだったら、それだけお休みを増やしたいところですよね。
でもそうはならず、さらに私達は忙しくなり疲れていくことでしょう。

本来、どんなことにも、それなりに要する「ちょうどいい時間」があり、
「ちょうどいい時間」から生まれる、よろこびや楽しさ、美しさ、クオリティというものを、
忙しさを理由に手離してしまってはいけないと私は思うのです。絶対に。

最新技術によっていくら可能だとしても、
時間を早めるということに手をつけるのはそろそろ止めて、
あらゆることの「ちょうどいい時間」とは、どのくらいなのか、
そしてそれを取り戻すことを新たに考えることこそが、これからの未来に必要なこと
ではないでしょうか。

まずそれには、何事も、プロセスを大事にすることを心がけたいものです。
「終わりよければすべてよし」ではなく、地道に、着実に取り組むことが、美しい結果を
生むということを忘れずに。

どんな物事も、ただ思い込みでできることではありません。
やはり、準備をどれだけしてきているか、それも大切なことなのです。
日々の訓練、練習をどれだけしているかは、やはり自分が一番知っていること。
自信というのは、その日頃の努力が作り出すものではないでしょうか。
自信がないという言葉の裏には、努力をしていないという意味が含まれていると
思います。

自信がないという前に、努力を惜しまないようにしましょう。
そうすれば、何事も自信を持ってできるんだと思います。

世界は広い。
すべてを知ることなんてもちろん無理です。
でも、私は自分の身の回りのことくらいは、もっと知りたい。
人は多い。
そのすべてと知り合いになることはもちろん無理です。
でも、私はできるだけ多くの人の生活を知り、何かしらのお役に立ちたい。
それが無理ならば、せめて想いたい。

普通のことですよね。でもみんな、忙しかったり、焦ったりしているうちに、
いつのまにか普通じゃなくなってしまうのです。
そして走り出す。誰かが走り、それを見て誰かも走り、
それをまた見てもっとたくさんの誰かが走り、気がつけば、みんな走ってる。
同じ方向に。脇目も振らず。

病気になって自宅で静養していると、周りの速度がすごく早く感じる毎日でした。
そのなかで気づいたことは、置いてけぼりになったような気がしても、
走る理由が分からないうちは走る必要なんてないんだ、ということ。
走る人には周囲の細かな景色が分からないものです。
足元に跳ねるバッタや葉っぱの裏にいるカタツムリに気づかない。
夜明け前の空が透明なブルーであることや、お月さまの色やかたちが毎日違うことや、
じっと空を見上げていればたくさんの星が見えてくることなどを忘れてしまうのです。

ゆっくり歩きましょう。
いろいろ悩みながら。いろいろ考えながら。
いろいろ眺めたり、発見したり、ため息をついたりしながら。
ゴールは、そんなに変わらないものなのかもしれません。

身体にやさしい秋の始まり。どうぞ焦らずに、ゆっくり、ゆったりとお過ごしください。
そして、麗王でほっこりとお話しくださいね。

* 麗王便りのバックナンバーは弊社HPよりご覧ください。
http://www.trinityinc.jp/updated/?cat=103

.。・:*:‘★、.。・:*:・‘☆、.。・:*:・‘
麗王
トリニティ株式会社
末金典子

ここ沖縄は昨日まで一年の中で最大の行事ともいえるお盆でしたが
あなたは夏の残りの毎日をいかがお過ごしでしょうか。
日中、外を歩くと、ここは日本なのかしらと 疑いたくなるくらいの猛暑が続いた
この夏でしたね。
でも、こんな暑さの中でも、 外でお仕事をしている方々はたくさんいらっしゃいます。
そんな方々を見ると、 ありがとうございますと心より感謝の気持ちが湧いてきます。
自分に直接の関係は なくても、基本的に仕事とは、社会のため、人のため。
いつかまわりまわって 自分のところにやってくると思うからです。
今年の夏の暑さで疲れたあなたが、 充分にお身体を休めることができていますように。
どうか御無理をなさらないように お願いします。
ほっと一息つくと必ず疲れがでてくるものです。今は世の中でいろいろと心配事が
ありますが、元気であることが一番です。どうぞお大事になさってください。

などと書いております私自身が、何故だか毎年6月の慰霊の日あたりから
終戦記念日、お盆にかけて具合が悪くなり出し、昨年もでしたが倒れてしまって
お休みが続く…ということになってしまい、今年もまたみなさまに御迷惑を
おかけしてしまいました。
その間にいらしてくださった方、御予約をいただいた方大変申し訳ございませんでした。
病状はと言いますと、7月の半ばに高熱が出て、咳が続き、 声が一か月ほど 出ず、
その風邪のような症状が治まったと思えば次は、 帯状疱疹後神経痛が ビリビリ痛み、
それが治まれば過労性アトピーで 痒いのなんので、 その間毎日 1日の半分
眠り続けるほどで、自分がこんなに 疲れていたなんて!と びっくりしました。
ただ、よく考えてみますと、麗王という店は私が35歳の時に開いたのですが、
その私ももう50代半ば。 毎年のように倒れているなんて、どうやら「働き方」に無理が
あるのかも、 と思い至りました。実際そういうアドバイスも数名の方々からいただきました。
そこで、みなさまにとっても自分にとっても良い手立てはと考え、勝手ではございますが
麗王は今月より定休日を日曜・月曜・祝祭日と させていただきます。
どうぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。

さて。
東京・霞が関にうなぎ料理の名店「うな兆」というお店があります。
沖縄出身の小嶺信子さんがもう40年以上も前に作られたお店です。
この小嶺さんはお店のオーナーであるだけではなく、中国にうなぎを稚魚から育てる
工場を作られ、中国との友好の架け橋となって尽力されてこられた方でもあり
素晴らしい御人脈を繋ぎながら人のために生きてこられた人でもあり
72歳とはとても信じられないほど若々しく知性とバイタリティーに溢れた女性です。
その小嶺さんが沖縄に戻って来られる度に麗王にもお寄りくださり、
たくさんの興味深いお話をうかがう機会をいただいているのですが、
7月にいらしてくださった時に印象的だったのが「人間として生きる」というお話でした。

私達は「人」という動物でもあるけれど、一人では生きていくことができない
人と人の間で生きる「人間」なのだ。だからこそ「人間」として生きるということの
意味を深く感じ、自覚して生きていかなければいけない、ということでした。

このお話をうかがいながら、僧侶であった今は亡き私のおじいちゃんを
思い出していました。

私が学生時代や社会人になりたての頃に、いろいろな事で落ち込んでいた時や
悩んでいた時、おじいちゃんは私に何も聞かずに、よく奈良の飛鳥時代の仏像を
見に連れて行ってくれました。
法隆寺の四天王像などを間近に見ていると、「いったい、今は何時代?」と、
時の感覚が麻痺してきたものです。
「飛鳥時代の仏像は生な大陸文化の影響を受けて、それ以降の仏像と比べると
より超人的に作られているんやで。」といったおじいちゃんの説明を聞きながら、
私は気の遠くなる時の流れと向き合って、
自分がどれだけちっぽけな限られた時間の中で生きているかを知らされたものです。

私達は小嶺さんがおっしゃるように人間として毎日を生きています。
時には人間関係に疲れたり、傷ついたり、悩んだりしながら。
集団の中でしか生きていけない人間に飽き飽きすることもあるでしょう。

そんな時は、さっきの私のように、遠い昔に思いを馳せることができるようなものを
見に行くのもいいかもしれません。。
大自然の海や山に抱かれるのもいい。
そして。
たまに一人の「人」に戻ればいい。
やさしくいるためにはプチ孤独が必要なのかもしれません。
次の連休などにそんなふうに過ごしてみるのもいいですね。

そして私達はまたお休み明けから「人間」に戻り、悩みながらでも生きていくのです。
それが生きるということなのでしょう。

私達の体は、もともと前向きにできています。
後ろ向きに歩くのは、とても難しいものです。
立ち止まって、後ろを向いて考えていても、仕方がありません。
また、間違った方向にやみくもに進んでいても時間の無駄です。
明るいビジョンを立て、楽しみながら、夢に向かって前向きに進みましょう。

そのためにも、どうぞ元気で楽しい毎日を!

* 麗王便りバックナンバーは弊社HPよりご覧ください。
http://www.trinityinc.jp/updated/?cat=103

.。・:*:‘★、.。・:*:・‘☆、.。・:*:・‘
麗王
トリニティ株式会社
末金典子

まだすっきりとは梅雨が明けませんが、どんどん夏の趣のここ沖縄ですね。
あなたはお元気にお働きでしょうか。
また今月の麗王便りをお送りさせていただきます。

私は自分でも占いのようなことをやるのですが、学生の時や会社勤めをしていた頃、
幾度か同級生や同僚に誘われて当時評判の占い師に見てもらったことがあります。
恋愛から仕事まで、さまざまな「予言」を受けました。
直後はみんなと、ああ言われた、こう言われた、と盛り上がるのですが、
不思議なことに、いつも翌日には占いの内容をきれいさっぱり忘れてしまうのです。
一緒に行ったみんなは自分の結果はもちろん、占い師から私が言われたことまで
細かに覚えていて、時間が来ると答え合わせをするように「どうだった?」と
聞いてきます。その都度私は「なにが?」と首を傾げて、呆れられることを
繰り返したものです。
それでもたったひとつ私が今でもよく覚えているのは、占い師がたくさんいる
占いの館のような所で、たまたま座った占い師さんに
「あなたは今の彼氏とは自分から別れますね。しかも将来は大阪ではない所で
住んでいるでしょうね。誰よりも自由を愛す人ですから。」と言われたこと。
その時は、「絶対間違ってる~!」と思いました。私は自分から別れようなんて言う
人間じゃないし、大好きな大阪を離れるわけもないし、自由であることが
別に重要だとも思ってないもん、と。
今になって思えば実によく当たっていたわけなのですが。
ま、そんなふうに、自分でも人を占ってみたりするものの自分の人生については
あまり気にしていなかったのかもしれません。

自分に関心がないわけではない…と思います。人並みに、楽しく苦労なく生きたいと
願っているのです。ただ、楽しく苦労なく生きることなんて不可能だろうと
早々に見切っていたこともまた事実なのです。

高校までと社会人になってもハードな運動をしていたことが一因かもしれません。
一日休むと取り戻すのに三日かかる、とはよく言われることで、
実際技術を習得するには毎日休まず練習を続けることが肝要です。
近道も楽な道もありません。ひたすら地道に積み重ねるより他に道はないのです。

それだけやっても、試合の一番大事な場面でミスが出ることがあります。
練習では完璧にできていたことが、本番でできないこともあります。
このときの気持ちを何と表せばいいのでしょうか…。
それは、世界から見放されたような絶望感なのです。

沖縄大学・樋口先生が麗王でも話されているエピソードですが、
岩手県・盛岡一高の野球部時代、夏の甲子園出場をかけてのベスト8を決める
試合で、9回裏、2対2、二死満塁。バッターは、「5番バッター・樋口くん」!
この時バッターボックスに向かう彼の脳裏には、ここでホームランかヒットを打ち、
試合を勝利に導き、明日の新聞で華々しく讃えられるイメージが浮かんでいたと
言います。
そして、その結果は…!
なんと、ショートフライでアウト! 延長戦になり試合自体も負けてしまったそうです。
この試合により「将来はプロ野球選手に!」の夢もしぼんでしまったとか。
今では笑い話のようでも、当時の彼はまさしく絶望感でいっぱいだったことでしょうね。

たとえば野球選手が毎回同じ動作を経て打席に立つのも、力を発揮できるよう
心身を整えるための儀式だったりします。一流選手をしても「いつもの力」を
発揮するのはそれほど難しいことなのでしょう。だから失策をした選手に、簡単にヤジを
飛ばす観客を見ると私は「この人は一度も真剣にスポーツに取り組んだことが
ないのだな。」と思います。努力が裏切られた痛みを知らない人の、軽々しい発言に
思えるのです。これは、スポーツに限らずすべてに共通することかもしれません。

行き詰まることは誰にでもあります。
それを単に理不尽に感じるか、次への糧にできるかで、その後の人生に大きな開きが
出るように思います。挫折を知っている人が強い、と言われるのも、このあたりに
理由があるのでしょう。真剣に取り組んでしくじることは、長いスパンで見た場合、
必ずしも不幸とは言えないように思います。

私の父は昭和8年生まれですが、大のスポーツ好きで、80代の今でこそ
フリーダイビング、テニス、スキー、ゴルフ、野球などはもうできなくなりましたが
今でも毎日卓球は楽しんでいるようです。
私が子供の頃は、高校野球の大会がある時はたまに甲子園にも連れて行かれ、
夜はTVでプロ野球中継ばかり観ていた父の、今も私の心に焼き付いている言葉が
あります。
私が中学のバレーボールの大会で大きな失敗をしてチームに迷惑をかけて
負けてしまった日の夜、落ち込んでいた時に言われた言葉です。

「甲子園大会の優勝校は一校だけやろ。あとの全チームの選手は敗者なんや。
スポーツは敗れることで学ぶことが勝者の何倍もあるんやで。」

なぐさめたり褒めたりということを一切しない人なだけにとても印象に残る
思い出です。

週末は父の日。
あなたのお父さまの想い出はどんなことですか。

* 麗王の階段下にいつも置いていた、20年以上も働いてくれた赤い看板を
思い切って断捨離いたしました。
看板がなくとも2Fを見上げてくださり玄関横の灯がともっておりましたら
開いておりますのでどうぞおいでくださいませ。

* 麗王便りバックナンバーは弊社HPでどうぞ。
http://www.trinityinc.jp/updated/?cat=103

.。・:*:‘★、.。・:*:・‘☆、.。・:*:・‘
麗王
トリニティ株式会社
末金典子